で、なぜ僕が新聞の有料化が失敗すると思うのかというと、時代の流れをまったく無視しているから。ほかのネット上のサービスはテクノロジーを使ってものすごいスピードでその価値を高めているのに、新聞は何の改良も加えずにただ読みづらくしようとしている。読むのに手間をかけようとしている。そんなの受け入れられるはずがない。
 ネット上で音楽が無料で違法コピーされまくっていたときに、AppleがiTunesで有料化に成功したのは、簡単に購入できる利便性を提供したから。最高の音質と合法という安心感を提供したから。無料でコピーするよりAppleを通じて購入するほうがカッコいいというブランドエクスペリエンスを提供したからだ。
 そうした新たな価値を提供することなく新聞が有料化に走るのは、もうどうしようもないほど広告収入が低下しているからだろう。背に腹は代えられないということなのだろう。しかし、そうした破れかぶれの戦略が成功するほど、世の中は甘くないと思う。